ついにゴング!
こんばんわ!
では、続きです。
ゴングの音が鳴り、相手が一気に近付いてくる!!
このとき、まだわたしは緊張の中に…
「やばい!来た!とりあえず、ジャブ…」
と相手がジャブを出してきたところに、一緒にジャブを出していく。
すると、相手も警戒しているのだろう。前進が止まった。
そのとき、ふうっと一瞬油断したんだ。
気付かずうちに後退していたようで、ロープが背に当たった。
「あっ、追い詰められてる…」っと思った瞬間。相手の右ストレートがクリーンヒット。
一瞬、視界が真っ暗になった。
今までスパーでもあまり受けたことがないくらいの衝撃。本気で倒しに来てるパンチ。
「あぁこいつ強いかも」と思った。
でも、その瞬間にスイッチが入ったというか、今まで緊張していたのが一気にほぐれた。
そこからはやっと普段通りの動きが取れるようになった。
今まで教わったもの。まだその時点では武器というものは少なかったが、しっかりジャブをつき、右につなげる。そして、相手のパンチはしっかりガードをする。
そこからやっと互角。
こちらのパンチも相手にクリーンヒットし、一瞬膝が落ちたのがわかった。
わたしの課題は手数。ボクシングを始めてから、怪我で引退するまで。ずっとこれ。
結局それがこの試験でも課題として残ってしまった。
プロテストでは手数が大きな判断基準と、何度も言われていた。
終了のゴングが鳴り、
「やりきった!!」という満足感は全くなく、
「力を残してしまった…。まだやれる。」という不完全燃焼。
付き添いできてくれたトレーナーにも、
「(合否は)わからんぞ。」と言われた。
わたしもそう思った。
続く